機械仕掛けのエロス
-澁澤龍彦-

個体はもともと非連続であり、二つの個体のあいだには越えられない深淵があるが、ただ生殖の瞬間、二つの個体が結びついた瞬間にのみ、非連続の個体に活が入れられ、連続性の幻影があらわれる。しかし究極の連続性とは死にほかならず、この死に魅了されて連続性の幻影を見ようとする志向こそ、エロティシズムの根拠にほかならない。