外道の群れ 責め絵師 伊藤晴雨をめぐる 官能絵巻 -団鬼六- もとより淫猥な肢態を要求するのであって、片膝を立てて座らせてみたり、胡座を組ませてみたり、両腿を大胆に開かせて座らせてみたり、気に入ったポーズがあると、「よし、この次、そのポーズの絵を描こう、覚えておくんだぞ」と晴雨は兼代の洗い髪を手でバラバラにくずし、煙のように片頬にからませながら兼代に声をかけるのである。